お知らせ

「信用格付の種類と記号の定義」の変更検討について
2012.07.05
株式会社日本格付研究所(JCR)では、「信用格付の種類と記号の定義」の変更を検討していますので、その内容を開示いたします。検討を終了した時点で、決定した変更内容や運用開始時期を別途公表する予定です。運用開始まで1~2か月程度を見込んでいます。なお、この定義の変更が直ちに個別の格付に影響を及ぼす事例は、現時点ではありません。
 検討している変更のポイントは主に下記の3点です。
   
1. 「D」の定義の変更 および「LD」(制限的デフォルト、Limited Default)の新設
JCRでは、現在、「債務者救済を目的として債権放棄やデット・エクイティ・スワップ等に応じた特定の債権者が元利金支払を当初約定通りに受けられない状態」は債務不履行と認識する一方で、このような状態における長期優先債務格付については格付記号「D」を付与していません。しかし、債務者の信用力が低下した際の対応が多様化していることを勘案すると、債務者の信用力をよりきめ細かく説明する必要性が高まっていると認識しています。このため、「D」記号の定義を「実質的にすべての金融債務が債務不履行に陥っているとJCRが判断している。」に変更するとともに、「一部の債務について約定どおりの債務履行を行っていないが、その他の債務については約定どおりの債務履行を行っているとJCRが判断している。」ことを示す「LD」記号を新設することを検討しています。

2. 信用格付の種類の細分化
JCRではこれまで信用格付について、「長期格付」と「短期格付」に分けて記号を定義してきましたが、今回、長期、短期それぞれをさらに「発行体格付」と「個別債務格付」に分けて定義することを検討しています。

3. 長期優先債務格付、短期優先債務格付の名称の変更
これまで使用してきた長期優先債務格付、短期優先債務格付は、名称として格付利用者にとってわかりにくい面があるため、内容をより明確に示すために、名称をわかりやすい「長期発行体格付」、「短期発行体格付」に変更することを検討しています。
この検討が実現した場合、変更は名称のみであり、「長期優先債務格付」と「長期発行体格付」、「短期優先債務格付」と「短期発行体格付」は、それぞれ同じ内容を示します。既に公表している格付に関する表記は変更せず、今後の公表分から新名称を使用します。

(担当)涛岡 由典・窪田 幹也


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