お知らせ

カントリーシーリングに関する格付方法を変更
2014.11.07
株式会社日本格付研究所(JCR)では、格付方法の一部を変更しましたので、その概要および個別格付への影響について以下のとおりお知らせします。

1. 変更の概要
JCRでは、本日付で「ソブリン・準ソブリンの信用格付方法」および「コーポレート等の信用格付方法」の一部変更を行った。これは、2014年9月26日付のプレスリリース「カントリーシーリングに関する格付方法の変更を検討」で公表した検討の結論である。検討の結果、プレスリリースで示した変更案のとおり格付方法を変更することとした。カントリーシーリングについて、これまでは、ソブリンの外貨建格付を一律にカントリーシーリングとしてきたが、新たな格付方法では、企業などに対する当局の外貨取引制限の蓋然性を評価した上でカントリーシーリングを設定することとした。これは、近年の危機に直面した当局の対応状況をみると、一部では依然として所在する企業などに対して外貨取引制限を課す事例があるものの、全体としては制限を課すことが限定的となっていることを踏まえたものである。

【カントリーシーリングについての新たな取扱い】

(1)ソブリン・準ソブリンの信用格付方法
カントリーシーリングはある国に所在する企業などが債務の返済のために行う自国通貨から外貨への交換や外貨の国外送金などの外貨取引に対して、当局が制限を加える蓋然性の評価である。カントリーシーリングは、企業などの外貨建格付の上限を示すものであり、ソブリンの外貨建格付を上回る場合が多い。
外貨建格付を対象としているのは、通常、外貨は自国通貨と比べて当局自らの権限による調達や発行が難しく、外貨建債務の返済の資金繰りなどに支障を来した場合、企業などの外貨取引に対して制限を課すことがあるためである。
カントリーシーリングの設定は、採用通貨、通貨制度、貿易決済及び資本取引規制、経済政策、対外債務、これまでの政府の対応状況などを総合的に評価して決定する。通常、ソブリンの外貨建格付から0~3ノッチ程度上回るが、米国、ユーロ圏、日本など主要通貨を採用している国は制限を加える蓋然性が極めて小さいことから前述のノッチ幅の制約を受けない場合もある。
例外的ではあるが、国際開発金融機関など当局間における重要な取り決めがある、国外に所在する親会社などから強い支援がある場合などは所在国のカントリーシーリングを超えることがある。

(2)コーポレート等の信用格付方法
企業の格付は、当該企業所在国のソブリン格付の制約を受けるが、例外的にこれを超える検討が可能となる。①国外に所在する親会社などから強い支援がある場合②国外において強く安定した収益基盤を有している、国際金融市場からの高い資金調達能力がある、さらには財務の健全性などを兼ね備えている場合などが例外的に認められる。ただし、②の場合には当局の外貨取引制限の蓋然性を評価したカントリーシーリングが格付の上限となる。


2. 変更に伴う格付の見直し
本件格付方法変更を受けて以下の企業の格付を見直し、その結果を一両日中に公表する予定である。本件格付方法変更は格付にポジティブに働く可能性が高いと考えている。なお、それ以外に本件格付変更を直接の理由として格付を見直す予定の先はない。

発行体:AEON Thana Sinsap (Thailand) Public Company Limited
外貨建長期発行体格付:A-
見通し:ネガティブ

(担当)内藤 寿彦・田村 喜彦

14d0638

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