お知らせ

共同プレスリリース「アジア格付フォーラムの開催」
2015.07.10
 アジア格付機関連合(ACRAA)及びアジア開発銀行研究所(ADBI)は、株式会社日本格付研究所(JCR)の協力を得て、本日、アジア格付フォーラムを、東京のADBI内で開催しました。本フォーラムでは、バーレーン、バングラデシュ、インド、インドネシア、日本、韓国、パキスタン、フィリピン、スリランカ、台湾、タイ、トルコの格付機関の代表者ならびにアジア4ヵ国の資本市場監督当局者が一堂に会し、ソブリン格付や中小企業格付、イスラム金融格付といった格付に関連する事項について議論を行いました。また、同時に、アジアにおける資金調達やアジアの産業・企業の信用状況に関心のある日本企業を対象に、公開セミナーも開催しました。

 本フォーラムでは、ACRAA、ADBI及びJCRの代表が、以下の通り述べました:

 ACRAA会長を務めるFaheem Ahmadは、「東京は、2001年にACRAA設立を合意した場所であり、再びこの地に集えて嬉しい。設立以来、ACRAAは、加盟格付機関の信頼性を高めるための努力を積み重ね、加盟機関数も15ヵ国・地域33機関まで拡大した。アジアの金融市場が急速に成長する中で、格付機関は経済発展と金融の安定性確保にますます重要な役割を担っている。引き続き、アジアの金融そして経済の持続可能な発展に向け、地域の格付機関の信頼性を高める努力を続けていきたい。」と言及しました。

 吉野直行ADBI所長は、「アジアでは、とりわけ通貨危機後に現地通貨建て債券市場が急成長。中小企業など借手と貸手の情報の非対称性の軽減のためには信用格付がカギである。次の課題は、依然として金融へのアクセスに課題が残る中小企業を如何に支援できるかであろう。ADBIは、ACRAAや加盟格付機関との協力を続け、アジアの中小企業の発展に向けた支援に取り組みたい。」と発言しました。

 高木祥吉JCR代表取締役社長は、「2001年のACRAA創設以来15年近くが経過した。その間のアジアの格付機関や金融セクター全般の目覚ましい発展は喜ばしい限りである。我が国でも、日本企業によるアジア進出の加速や、東京プロボンド市場の新設など、グローバル化に向けた動きが急速に進展している。JCRも、長きに亘り培った信頼できるパートナーであるACRAA加盟各機関との協力をより一層強化しつつ、金融・経済のインフラとして、経済の活性化・成長に一層貢献して参りたい。」と表明しました。

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<お問い合わせ>
株式会社日本格付研究所(JCR):仲川
   (satoshi.nakagawa@jcra.com / 03 3544 7448)
アジア開発銀行研究所(ADBI) :リロ
   (arillo@adbi.org / 03 3593 5512)

<参考情報>

アジア格付機関連合(ACRAA、http://acraa.com/)
・ACRAAは、01年3月にADBIにて開催された「アジア格付機関の開発戦略:アジア地域
 caucus の設立」東京会議でのコンセンサスに基づき、8ヵ国・地域15格付機関に
 より、01年9月に設立された。
・目的は、以下の通り:
 
 (i) アジアの格付機関の能力や機能の向上に向けた、加盟機関間の意見交換や知見
    共有などの相互協力の推進・維持
 (ii) 格付の質の向上と域内での比較可能性を高めるためのベストプラクティスと
    共通基準の採用に向けた活動
 (iii)アジアの債券市場や域内クロスボーダー投資の発展に向けた活動の実施

・主な活動として、ベストプラクティスダイアローグと共同トレーニングが定期的に
 行われている。主な出版物として、「行動規範」(2002年)、「格付機関の国際ベス
 トプラクティスにかかるハンドブック」(2008年)、「地場格付機関に対する基本
 行動規範」(2011年)がある。

・ACRAA加盟機関数は、設立以来着実に増加し、現在は、15ヵ国・地域の33機関に達し
 ている(リスト:http://acraa.com/acraamembers.asp)。

・ACRAAの理事は加盟機関による互選で選出される。会長は、創設以来13年までJCRの
 今井一雄氏が務めた後、JCR-VISのFaheem Ahmad氏が務めている。

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