• ホーム
  • お知らせ
  • JCR格付け推移マトリックスおよび累積デフォルト率の公表について

お知らせ

JCR格付け推移マトリックスおよび累積デフォルト率の公表について
2007.01.25
<推移マトリックスの一部係数(証券化商品(ABS)の格付け推移マトリックス)に誤記がありましたので2008/1/25付NEWS RELEASE(07-D-1083)で訂正しました。同日付のレポート&トピックスをご参照下さい。>


 今般、(株)日本格付研究所(JCR)では、例年公表している格付け推移マトリックス及び累積デフォルト率について、2006年の格付けを反映した内容を以下の通り公表することとした。
 
1.企業格付け推移マトリックス(表1~3参照)
(1)対象格付けデータ
 1996年1月から2006年12月までの11年間に公表した居住者長期格付けのうち、以下の格付けデータを除いたものを対象とした。

・ 保証付きの格付け
・ 劣後債券の格付け
・ p格付け
但し、「保険金支払能力」に対する格付けのように、当初本格付けを付与した後、最終的に「Dp」と格付けしたものは集計の対象とした。

なお、格付けデータは各格付け対象企業の月末時点の格付けを使用した。「D」または「Dp」になった企業名は表4の通り。

(2)作成方法
 各銘柄の1年後(3年後、5年後)に対応する月末時点の格付けを比較して、その格付けの推移を集計する。例えば、1996年に1月末時点の格付けに対応する同一銘柄の1997年(1999年、2001年)1月末の格付けを比較する、1996年2月末時点の格付けに対応する同一銘柄の1997年(1999年、2001年)2月末の格付けを比較するなどして、その格付け推移を集計した。

2.企業格付けを対象とした格付けカテゴリー別累積デフォルト率
JCR格付けの妥当性を客観的に検証するために、企業格付けを対象とした1年、3年、5年の格付けカテゴリー別の累積デフォルト率を前述「1.企業格付け推移マトリックス」の実績データ(期間:1996年1月から2006年12月)に基づいて計算すると表5の通りである。

【参考】

広義デフォルトに基づく格付けカテゴリー別3年累積デフォルト率

 JCRでは、新BIS規制との関係で、広義のデフォルト定義に基づく累積デフォルト率を、参考として算出した(表6参照)。

1.広義デフォルトとは
 JCRが格付けを行った企業で、主力銀行等による債権の放棄や、債務の株式化を行った企業もデフォルト企業としてカウントし、本文中の表4に示すデフォルト企業数(狭義デフォルト件数)と合算して広義デフォルト件数を算出した(格付消滅後のデフォルトも含む)。

2.作成方法
 2006年基準の3年累積広義デフォルト率(過去10年間平均)を例にとると、1994年から2005年までの各年12月末時点の各格付カテゴリーについて、1年目、2年目、3年目に広義デフォルトになった企業をカウントし、1年目、2年目、3年目のデフォルト率の計算を行い対象期間の企業数で加重平均を行った。こうして計算した1年目、2年目、3年目のデフォルト率に基づいて、限界デフォルト率を累積する方法により累積デフォルト率を算出した。

 1年目のデフォルト率:α1、2年目のデフォルト率:α2、3年目のデフォルト率:α3
3年累積デフォルト率=1-(1-α1)×(1-α2)×(1-α3)
** 2005年基準の累積広義デフォルト率は「JCR格付け」2006年2月号(N0.180 )においても公表しているが、そこでは格付消滅先のデフォルトを分子に含む一方、格付消滅先でデフォルトしなかった先を分母に含めないこととしていた。一方、本稿では、格付けの示す信用リスクをより適切に計測するという観点から、格付消滅先でデフォルトしなかった先を分母に含めることとした。この結果、本稿の2005年基準の3年累積広義デフォルト率は、低格付け先を中心に2006年2月号で公表したものより低くなっている。

3.証券化商品(ABS)の格付け推移マトリックス
 昨年と同様に「経過月別の格付け推移」と、ここ3年間のデータを対象に「1年間(暦年ベース)の格付け推移」を公表することとした。

(1)対象格付けデータ
 調査対象は、1996年11月から2006年12月までに非公表を含めて格付けを行った案件のうち、原則として裏付け資産について優先劣後構造で信用補完された案件とした。
 なお、リパッケージ債や保証付案件など第三者の格付けに連動するものは除いた。
また、複数のトランシェに分かれている案件については、償還期日が分かれていても同順位の場合は、まとめて1件とカウントした。

(2)作成方法
 ①経過月別格付け推移マトリックス(表7~9参照)
  対象案件が発行時から経過月数に応じてどのように変化したか、調査集計した。その上で12ヶ月、24ヶ月、36ヶ月経過した時点において各案件が当初格付けからどの様に変化したか、その分布状況を表示した。各経過月数を満たさずに償還された案件や格付けの変化があっても経過月数を満たさないものはカウントをしていない。

 ②1年間(暦年ベース)の格付け推移マトリックス(表10および表11参照)
  2004年から2006年に関して、各年1月1日時点の格付けが年末にどのように変化したかを調査し、3年分の件数を合算し平均した格付け推移分布状況を表示した。また、参考までに2006年の1年間について、その分布状況を表示した。

PDF